自筆証書遺言の利用について


目次

 

 1. 自筆証書遺言の方式緩和

 2. 法務局での保管制度

 - 保管制度の詳細

 - 法務局で保管することのメリット

 - 保管〜相続の大まかな流れ


1. 自筆証書遺言の方式緩和について

2019年1月13日

  

これまで自筆証書遺言は、「全て」遺言者本人が手書きをする必要がありました。

しかし、改正後は、「財産目録 (別紙として添付するもの)」はパソコンでの作成も認められ、「預貯金通帳」や「不動産登記事項証明書」のコピーの添付なども可能になりました。

(参照) 法務省パンフレットより http://www.moj.go.jp/content/001310392.pdf

2. 法務局での自筆証書遺言の保管制度

2020年7月10日施行

 

公的な機関である「法務局」において、自筆証書遺言を保管する制度が新設されます。

これによって、遺言書の紛失や、相続人により意図的な破棄・隠匿・改ざんなどを防ぐことができますし、ご家族も「遺言書を残してくれていたかどうか」を把握しやすくなります。

 

また、自筆証書遺言をご本人が保管していた場合、遺言書を発見した相続人や保管者は、遺言者ご本人が亡くなったあと、家庭裁判所で遺言書に「検認」を請求する必要がありますが、法務局に保管した場合には「家庭裁判所の検認」が不要になります。

 

(※検認とは?:家庭裁判所が相続人に対して、遺言の存在と内容を知らせます。また、検認の日時点における遺言書の内容を明確にし、遺言書の偽造・変造を防止します。)

 

 

(参照) 法務省パンフレットより http://www.moj.go.jp/content/001310392.pdf

 

「メリット」

① 遺言書の紛失・隠匿・偽造などを防止する

→ 遺言者の最終意思を実現しやすなる

 

② 遺言書があることを把握しやすくする

→ 相続の手続が円滑に進む

 

【法務局での遺言書保管〜相続の流れ】

 

1. 遺言者本人が法務局に「自筆証書遺言」の原本を持参します。

 

 ※保管申請先は、遺言者本人の住所地や本籍地、もしくは所有不動産の所在地です。

 ※遺言書の他に、保管申請書、本人確認資料、申請費用などが必要です。

 ※遺言書に封はせず、持参します。

 

2. 法務局で、遺言書の形式についてチェックを行います。

 

 ※あくまでも、日付や氏名がもれなく書かれているか、押印はされているか、訂正などの方式に問題がないかなど、形式的なチェックが行われます。

書かれている内容自体の審査は行われません。

 

3. 法務局で原本を保管します。

 また、遺言書は画像データとしても保管されます。

 

  ↓

「相続開始」

  ↓

 

◎ 誰でも、

・遺言書が保管されているかどうか、どこに保管されているか確認することができます。

具体的には、「遺言書保管事実証明書」という証明書の交付を請求することができます。

これには、遺言書の作成年月日・遺言書保管所の名称と保管番号が書かれています。

 

 

◎ 遺言者の相続人や遺言執行者などは、

・全国の法務局で、「遺言書情報証明書」の交付請求ができます。

 →「遺言書情報証明書」に基づいて、相続登記や遺産名義の変更ができるようになります。

・遺言書が保管されている法務局で、「遺言書の閲覧請求」ができます。

 

まとめ:改正前後での違い


改正後


◎ 本文

全文・日付・氏名を手書きし、押印する。

 

◎ 別紙

別紙として添付する財産目録は手書き不要。

預金通帳などのコピーを添付することも可能。

(ただし、別紙の全てのページに署名・押印は必要です)

 

◎ 保管

遺言者が自分で保管する。

2020年4月1日〜:

法務局での遺言保管制度ができます。

 

◎ 検認

家庭裁判所による検認が必要です。

2020年4月1日〜:

法務局で遺言を保管している場合、検認は不要。



改正前


◎ 本文

全文・日付・氏名を手書きし、押印する。

 

◎ 別紙

別紙として添付する財産目録も手書き。

 

◎ 保管

遺言者が自分で保管する必要があるため、紛失や、遺言書が発見されない場合もあることなどに注意!

 

◎ 検認

家庭裁判所による検認が必要です。